2022年5月13日金曜日

蕪村唐寅試論7

 

彦九郎日本に還るに詩を作りて之れを餞とす 

 浮き草みたいに二度までも 我が中国へやって来た 

国に帰れば誇らしく 語るんだろう渡航歴 

はたちの青年 剣と玉 身に帯び皇居に参内し 

星も瞬く真夜中に 宿直とのいの役をやってきた 

三年過した客人まろうどに 送別の歌 贈りたい 

大海原をスイスイと 無事に故国へ万里越え……

その旅のあといつの日か 必ず戻って来て欲しい

別れの竹と花束を いま贈るのは止めとこう

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京都美術館「田中一村展」3

2010 年、小林忠さんが館長をつとめる千葉市美術館で、館長みずから企画し開催した「田中一村 新たなる全貌」展が開かれました。僕にとって一村との初対面でした。その四半世紀ほど前、 NHK 教育テレビ「日曜美術館」で「黒潮の画家――異端の画家・田中一村」が放映され、私たちは初めて一...