2022年5月21日土曜日

蕪村唐寅試論13

 

つぎの「花と酒」は美しい花とお酒をたたえた一首ですが、この花が女性のメタファーであることはいうまでもありません。事実、唐寅は女性が大好きでした。吉川幸次郎先生によると、唐寅の奔放不羈は兄弟子の祝允明があきれるほどでした。

道で見かけた美人のあとをつけ、大きな質屋の小間使いと知ると、身分をかくし番頭として住み込み、ついに思いをかなえたという話が、『今古奇観』きんこきかんに見えるそうです。「全然の虚構ではないであろう」と吉川先生はおっしゃっています。

僕は居てもたってもいられず( ´艸`)、逗子市立図書館に駆けつけると、『中国古典文学大系』の『今古奇観』を借り出してきました。

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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...