万里集九「猫児双蝶図」
咲き定まりたる牡丹花は ほかの花とは交わらず
日なかの木陰 傾くも 母ネコ眠らず子のために
誰かが見ている春の夢 蝶々ちようちよのはかない羽のよう
鋭い牙にもかからずに 二匹の蝶が悠々と……
この民藝発見がなかったら、その後の柳はどうなっていたことでしょうか。『白樺』のロマン主義と理想主義の亡骸 なきがら にすがり付いて、柳自身が思想哲学の亡骸になっていった可能性もあるのではないでしょうか。耽美主義の罠にはまって、思い出に生きる寂しい晩年を送ることになったかもしれ...
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