「蓮下絵百人一首和歌巻」は全長二十五メートルほどの長大な巻物で、元和初めの制作と推定されている。半数以上の五十七首分が関東大震災で失われ、いまは遺った部分が断簡となって諸家に愛蔵されているが、在りし日の姿は写真によってしのぶことができる。銭葉から蓮房や散りゆく蓮華まで、蓮の一生が金銀泥で描かれているが、これは天智天皇から順徳院に至る、歌人の時代順的配列とパラレルな関係に結ばれている。両者が時間とともに流れていく。
この「美のまなざし」展のプレ・ビューが行なわれた14日、併せて國華清話会特別鑑賞会が開かれました。東京美術商協同組合理事長の川島公之さんと國華編集委員の板倉聖哲さんの興味深い講演もあって、コロナがピークアウトした錦秋の一日を、100人以上を数えた会員の方々と一緒に楽しく過ごしたことでした。
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