2021年10月8日金曜日

群馬県立近代美術館「江戸と上毛を彩る画人たち」5

 

はじめ写真を見たとき、僕は有名な朱熹の「少年老い易く学成り難し 一寸の光陰軽んずべからず 未だ覚めず池塘春草の夢 階前の梧葉すでに秋声」をイメージした作品かなと思いました。しかしそうではありませんでした。画面左上に、中国・南宋の詩人である翁森の「四時の読書の楽しみ」という七言律詩四連詩の「秋」が着賛されているからです。明らかに烏洲はこの詩からインスピレーションを得て、画筆を採ったんです。

翁森は愛用する近藤春雄編『中国学芸大事典』にも載っていないマイナーな詩人で、僕も初めて知りました。ネット検索をかけると、中国の「百度百科」がアップされましたが、日本語では何も出てきません。

0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」7

今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...