徐寅「夜」
太陽沈み虞淵[ぐえん]でも 明るいローソク灯[とも]されて
夜更けにゃ煙[けむ]が浮遊する 塵[ちり]を吸収してしまう
雪に覆わる剡渓[せんけい]の 友を子猷[しゆう]が訪ね行き
漢の宮殿 月が出りゃ やって来るのは西王母
軒にかかったクモの糸 高価な織物 作るべく
風で消えてもホタルの火 燃えかすなんか残らない
「いつになったら朝になる?」――落ち込んだとて訊くなかれ!!
刻々進む水時計 夜明けの鐘はきっと鳴る
*虞淵 むかし太陽が没すると考えられた池。転じてたそがれ、黄昏をいいます。
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