徐寅「貢余秘色茶盞」
翠[みどり]と青が融合し みごとな色合い新しく
窯から出し立ていただいた 君が贈ってくれた杯[はい]
巧みな陶技 名月を 映す春方[はるべ]の水のよう
チョット施す薄氷[うすらい]の 釉は緑の雲のよう
錆びを磨いたいにしえの 鏡が机に乗っており
若い蓮花が露に濡れ 池からここへ来たようだ
かの中山[ちゅうざん]の濁り酒 これに注げば香り立つ
だが悲しいなぁ!! 病気持ち 呷[あお]ることなど出来やせぬ
桜と相性がよい文学は和歌でしょうが、漢詩だって負けてはいません。先に紹介した渡部英喜さんの『漢詩花ごよみ』に江戸末期に鳴った漢詩人・藤井竹外の七言絶句「芳野」が載っています。またまたマイ戯訳で紹介することにしましょう。 古き陵 みささぎ ――松柏 まつかしわ つむ...
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