最後に、日本東洋のすぐれた文化と美しき伝統を愛して止まなかった岩崎家の象徴として、小弥太の句集『巨陶集』『早梅』から五句ほどを選び、また和歌一首を添えつつ筆を擱くことにしよう。
   天平の昔なつかし曼珠沙華
   散る花や静かに座[おわ]す廬舎那仏
   貫之の歌切は何んと梅の宿
   古きものいとしむ心秋の雨
   枯れしもの皆美しや冬の雨
   理[ことわり]にのみ生く人は天地[あめつち]のまことの情[こころ]知りがてぬかも
「僕の一点」は吉澤雪庵の「寒山拾得図」ですね。大きな絹本の掛幅 画 です。 右側の拾得 は岩を硯にして墨を摺り、左側の寒山は筆を右手に持って岸壁に文字を書こうとしています。拾得の後には、チョット羅漢のように見える豊干禅師が座って寒山の方を見ています。これを見てすぐ思い出すの...
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