最後に、日本東洋のすぐれた文化と美しき伝統を愛して止まなかった岩崎家の象徴として、小弥太の句集『巨陶集』『早梅』から五句ほどを選び、また和歌一首を添えつつ筆を擱くことにしよう。
天平の昔なつかし曼珠沙華
散る花や静かに座[おわ]す廬舎那仏
貫之の歌切は何んと梅の宿
古きものいとしむ心秋の雨
枯れしもの皆美しや冬の雨
理[ことわり]にのみ生く人は天地[あめつち]のまことの情[こころ]知りがてぬかも
そのころ日本の禅僧がたくさん元に渡りましたし、長くかの地に留まり、中国文化を持ち帰った場合も大変多いのです。 流行する題画詩も彼らによって日本へもたらされた可能性が高いという指摘は、正鵠を射るものです。(略) このような島田修二郎先生の名論文を読むと、詩画軸こそ詩画一致で...
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