最後に、日本東洋のすぐれた文化と美しき伝統を愛して止まなかった岩崎家の象徴として、小弥太の句集『巨陶集』『早梅』から五句ほどを選び、また和歌一首を添えつつ筆を擱くことにしよう。
天平の昔なつかし曼珠沙華
散る花や静かに座[おわ]す廬舎那仏
貫之の歌切は何んと梅の宿
古きものいとしむ心秋の雨
枯れしもの皆美しや冬の雨
理[ことわり]にのみ生く人は天地[あめつち]のまことの情[こころ]知りがてぬかも
「画禅入三昧」は「画禅三昧に入る」とも「画禅三昧に入れ」とも読めますが、後者であったと思います。この教えによって、近代的自我 は目指すべき理想から、画に没頭して雑念を離れれば、おのずと獲得される三昧の境地に昇華したのではないでしょうか? 30代半ばにして画伯がスランプに陥り...
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