2021年7月19日月曜日

三菱一号館美術館「三菱の至宝展」20

 

「僕の二点」になってしまいましたが、もう一つ「曜変天目」――固有名詞でいえば「稲葉天目」をあげないわけにはいきません。「またまた曜変天目か、もう何回も見たよ」なんておっしゃらないでください。今回は「曜変天目ルーム」がしつらえられているんです!! 

つまり展示されているのは、「曜変天目」一碗のみという一室です。ほかの名品に気を奪われることなく、全神経を「曜変天目」に集中させて鑑賞することができます。いつかやってみたいと思ってきましたが、世田谷岡本ではギャラリーの構造上むずかしかった展示です。

それだけじゃ~ありません。今回は照明のルクスをぐっと上げた効果で、これまでとはまったく異なる、驚くべき新しい美が生まれています。夜空にも深海にも例えられるあの虹彩が、じつに鮮やかに浮き上がって、いまにも動き出しそうです。もうこれは「新国宝」です()

0 件のコメント:

コメントを投稿

國華清話会2025年秋季特別鑑賞会3

   「僕の一点」は吉澤雪庵の「寒山拾得図」ですね。大きな絹本の掛幅 画 です。 右側の拾得 は岩を硯にして墨を摺り、左側の寒山は筆を右手に持って岸壁に文字を書こうとしています。拾得の後には、チョット羅漢のように見える豊干禅師が座って寒山の方を見ています。これを見てすぐ思い出すの...