応挙にこのような「反魂香図」があれば、応挙の幽霊図に反魂香のイメージが付きまとっていることは当然で、僕がくどくどと証明する必要などまったくなかったのです。「しまった!!」と思いましたが、むしろ山下さんが応挙の「反魂香図」を指摘してくれたお陰で、推論の正当性が実証されたのだ!!と居直ることにしました。
ヤジ「この間から居直ってばかりじゃないか!!」
僕の拙文はともかく、辻惟雄さんをはじめ、錚々たる執筆陣の文章を編集して、ぺりかん社から豪華図録『全生庵蔵・三遊亭円朝コレクション 幽霊名画集』が出版されたのは、1995年7月のことでした。妖怪ブームも与って力あったのか、本書は好評裡に迎えられ、間もなく普及版が出版されるとともに、現在では「ちくま学芸文庫」にも収められて、広く読まれています。執筆者の一人として、じつにうれしいことです。
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