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2021年5月13日木曜日

東京藝大美術館「渡辺省亭」展4

 

この拙論の主旨は、応挙の美しい幽霊には、たけば死者の姿を煙の中に現すというお香として知られる「反魂香」のイメージ、つまりそのもとになった漢の武帝の寵愛を一身に集めた李夫人のイメージが内包されているというものでした。久渡寺の「反魂香之図」というタイトルをもとに、いろいろな資料を使って証明し、我ながらよくできた一文だと悦に入っていました。

ところがその後、山下裕二さんが『別冊太陽』98<幽霊画の正体>に「応挙の幽霊から――幽霊イメージの誕生と流布」を寄稿し、恩賜京都博物館編『応挙名画譜』に、李夫人を描いた応挙の「反魂香図」が載っているということを指摘したのでした。応挙研究の基本図書ともいうべきこの画集は、もちろん僕も持っていたのですが、そのときは開きもせず、完全に失念していたのです。

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