こんなにも三谷さんの体験にこだわったのは、渡辺京二さんの名著『逝きし世の面影』が伝えてくれる幕末明治の日本におけるあの「裸天国」を考える際、とても参考になるように感じられたからです。
『逝きし世の面影』を読むと、日本人は天真爛漫であり、欧米人は社会的規範によって雁字搦めになっていたという結論を導き出したくなりますが、それはやはり間違いでしょう。裸に対する天真爛漫ともいうべき態度や、あるいは恥ずかしいという感情を、日本人も欧米人も、親や家族や社会から学習していたにちがいありません。
今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...
0 件のコメント:
コメントを投稿