2020年12月11日金曜日

小川敦生『美術の経済』1

 

小川敦生『美術の経済』(インプレス 2020年)

 腰巻には、「元経済紙記者の美大教授が お金とアートの切っても切り離せない関係を明かす」とあります。そうなんです。小川敦生さんは、日本経済新聞の文化部美術担当記者として長いあいだ活躍してきました。

そして現在は、「芸術と経済」「音楽と美術」などの講義を担当する多摩美術大学芸術学科の先生であり、美術ジャーナリストです。東大では高階秀爾さんのもとで西洋美術史を専攻しましたから、それ以来饒舌館長も親しくさせてもらってきました。

小川さんは音楽も得意で、東大オーケストラの主要メンバーに名を連ねるバイオリニストでした。コンパのとき、愛器で古典を一曲奏してくれたのを懐かしく思い出します。このような小川さんにしか書けない、美術経済学の入門書がこの本です。

0 件のコメント:

コメントを投稿

國華清話会2025年秋季特別鑑賞会3

   「僕の一点」は吉澤雪庵の「寒山拾得図」ですね。大きな絹本の掛幅 画 です。 右側の拾得 は岩を硯にして墨を摺り、左側の寒山は筆を右手に持って岸壁に文字を書こうとしています。拾得の後には、チョット羅漢のように見える豊干禅師が座って寒山の方を見ています。これを見てすぐ思い出すの...