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2020年12月28日月曜日

アーティゾン美術館「琳派と印象派」10

濃彩を厭い、やさしい水墨調に傾く画趣は、よく知られた根津美術館本に近しいが、構図はまったく異なっている。一見すると、新出本の構図は伊年系草花図屏風の通常を襲ったもののように思われるが、屏風の両端を余白にゆだねた開放的構図は、なかなか他に求めがたいものである。両端にモチーフを配する凝縮的構図が、伊年系草花図屏風の基本パターンだからである。

大和文華館所蔵「野菜図屏風」は開放的だが、本来は襖絵であった節が強いであろう。もっとも、『國華』984号所載「芥子・草花図屏風」の右隻ように、開放的構図を採る伊年系草花図屏風もあるわけだが、これは単一モチーフの場合に限られている。このように見てくると、新出本は伊年系草花図屏風の中にあって、かなり個性的な作品だと言うことができよう。

 

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