2020年10月19日月曜日

葛飾北斎『万物絵本大全図』大英博物館蔵8

 

儀狄が自分の造った酒を禹王に献上したところ、一口味わった禹王は、「後世この美味にして陶然とさせる飲み物によって国を滅ぼすものが出るであろう」と語り、儀狄を避けるようになったといいます(『戦国策』魏策)。

酒と食と色と台[うてな](豪邸)、これらは国を滅ぼす4大悦楽といわれますが、さすが儒教の聖王は、一口飲んだだけで酒の魔力を洞察しました。果せるかな、禹王の末裔である桀王は、連夜の酒池肉林の末に夏王朝を滅亡させたのです。禹王は夏王朝が酒によって滅びることを予測していた訳ではないでしょうが、桀王は酒で国を滅ぼした最初ということになるでしょう。


0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」5

とくに応永年間、熱狂的 に愛好されたので、応永詩画軸 などと呼ばれることもあります。 詩画軸のことを勉強するときには、必ず『禅林画賛   中世水墨画を読む』 ( 毎日新聞社 ) という本を手元に置かなければなりません。そして監修者である島田修二郎先生の論文「室町時代の詩画軸につい...