2020年9月27日日曜日

五木寛之『大河の一滴』3

それだけじゃ~ありません。今年3月上旬からふたたび売れ始め、文庫28万3千部、単行本5万7千部を増刷、すでに累計320万部を超えているそうです。拙著『文人画 往還する美』の1万倍以上です() 

先日、東洋文庫で「大宇宙展――星と人の歴史」を見て悠久の歴史に思いを馳せましたが、天文学的数字とは、『大河の一滴』の発行部数にこそふさわしい言葉ではないでしょうか。さらに著者プロフィールによると、エッセー集『風に吹かれて』は、1998年の段階で400万部に達していたそうです。

姜尚中さんは、ベストセラーの条件の一つとして、大西巨人が「俗情との結託」を挙げたことから書き始めています。しかし読者の心は移ろいやすく、ベストセラーでありながら、ロングセラーであり続ける極々まれな1冊が『大河の一滴』だというのです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」7

今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...