2020年6月24日水曜日

美術館の未来を担う女性たち3



片岡さん――女性のディレクターはたくさんいますが、ロンドンのテート・モダンの館長にフランシス・モリスが就任したとき、「美術館業界はボーイズクラブ。それは変えてゆかなければならない」と発言しました。内部の組織だけでなく、所蔵しているコレクション、展覧会を行うアーティストも含め、基本は白人男性中心です。フランシスは着任すると、急速に是正し始めました。(略)
女性だけでなく、ラテン・アメリカやアジアのアーティストも積極的に取り上げ、トランスリージョナルな展示を行いました。世界をリードする美術館が姿勢を変えることにより、世界全体の風向きが急速に変わってきていると思います。女性の問題は、大きなダイバーシティの一部。マイノリティのアイデンティティに着目し、世界の均衡をどう見せるか、それが世界の美術館が今取り組んでいることです。

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