2020年6月1日月曜日

石守謙「物の移動と山水画」(『國華』)8




 最近僕は「蕪村横物三部作試論」という妄想と暴走( ´艸`)を『國華』に寄稿しました。与謝蕪村が明代四大家の一人である唐寅を尊敬してことは、すでに指摘されてきましたが、それは唐寅が画家にして詩人であった点にあったのではないかと、僕は考えたのです。唐寅が画家にして詩人であったことの具体例を、石守謙さんが教えてくださったことも、実にうれしいことでした。
呉派文人画の祖とされる沈周(沈石田)に「平湖夜泛図」(上海博物館蔵)という摺扇画があるそうで、『國華』ではカラー図版になっています。ある月の夜、沈周は友人の孫一元と湖に舟を浮かべて歓を尽くします。そこにお酒があったことは、改めていうまでもありません(笑) そのあと、沈周は孫一元が準備していた扇面に山水を描き、ともに過した夜遊の楽しみを賛にして贈ると、孫一元は五言律詩を書いて応え、さらに沈周が追和詩を加えます。


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