2020年5月16日土曜日

シャンフルーリ『猫』2



中表紙に掲げたのは書店に掲示する広告用ポスターで、中央にマネの「猫の逢引」を載せ、ドラクロアやマネや北斎などの挿絵入りで値段は5フラン、と書かれています。版を重ねるごとに加筆訂正され、最終的に第5版まで出たので、それを底本としました。

この本に限らずシャンフルーリは版を重ねるとき大幅に加筆訂正する傾向があるようです。初版には「歴史、風俗、観察、逸話」という副題がありましたが、第5版ではなくなっています。

シャンフルーリは邦訳が一冊もないので日本での知名度は著しく低いでしょうが、本名をジュール・フランソワ・フェリックス・ハッソン(原文ではこれもフランス語で書いてありますが……)といい、シャンフルーリは筆名です(こうした姓も名もない一語の筆名としては、ほかスタンダールなど)。

0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」7

今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...