十数年前、『國華』に谷文晁に関する拙論を寄稿するため、寛政文晁の優品「山水図」を調査させてもらいに、山形美術館にお邪魔したことがあります。その時うわさには聞いていたこの吉野石膏コレクションをはじめて拝見して、一人ひとりの画家の最高傑作ともいうべき作品が抜かりなく選ばれていることに、一体どうやって集めたんだろうと驚かずにはいられませんでした。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
山種美術館「桜さくらSAKURA2025」7
今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...

-
もちろん雅文化であるクラシック音楽に、造詣が深かったことは言うまでもありません。ハープ奏者として活躍している摩寿 ( 数 ) 意英子さんは、高階先生と何度も一緒にお仕事をされたそうです。 その摩寿意さんが、先日僕の「追悼 高階秀爾先生」に、先生が音楽にも大変お詳しいことに...
-
高階秀爾先生が10月17日、 92 年の超人的生涯を終え白玉楼中の人となられました。ご逝去を悼み、心よりご冥福をお祈り申し上げます。 一人の人間が、これほどの質量を兼ね備えた仕事を一生の間になし得るものでしょうか。しかも特定のジャンルに限定されることはありませんでした...
-
その引き出しの中身が、引き出しを飛び出して渾然一体となり、知の有機体を形作っていることでした。引き出しのように見えたのは、僕らの眼が旧態依然とした学問の枠組みに規制されていたからでした。小さな箪笥の引き出しなんかじゃなく 、有機体としての知が、一つの大きなクローゼットに入って...
0 件のコメント:
コメントを投稿