2019年10月28日月曜日

石水博物館「川喜田半泥子の秋」6


架蔵する『乾山考』は第29冊で、昭和1877日、半泥子が松山吟松なる人の霊前に捧げる旨の献辞があります。この吟松とはいかなる人かと思って、ネットで検索してみましたが、松山吟松庵と名前は出てくるものの、詳しいことはまったくわかりません。

今回の口演でも、皆さんにこの名著を手に取っていただこうと思い、架蔵本を持参したのですが、これを示しながら学芸員の桐田貴史さんに訊ねたところ、たちどころに氷解したのです。桐田さんは最近『朝日新聞』の「私の<イチオシ>コレクション」に、半泥子の「伊賀水指 銘 慾袋」について、すばらしい紹介文を書いた石水博物館のフレッシュマン・キューレーターです。

ちなみに、前回アップした表紙が紺色の架蔵『乾山考』は、最初65部限定で出版された初版本です。今日アップした柿色表紙の『乾山考』は、希望者が多かったため、その後半泥子が135部刷り増した再版本です。つまり『乾山考』は計200部印刷されたわけです。この事実を龍泉寺さんから初めて教えてもらいましたが、僕のが初版本であることを知って、ますますうれしくなったことでした( ´艸`)

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