2019年9月5日木曜日

諸橋徹次博士7


僕がもっとも心を動かされたのは、先生が陶淵明のお墓を探し訪ねたことです。かつてどこかで読んだのですが思い出せず、今回『諸橋轍次著作集』全10巻を調べて、第10巻の「学問の思い出」にあることを確認しました。昭和387月、東方学会新館会議室で、宇野精一氏ほか3人が先生のお話を聞いたときの記録で、『東方学報』第27輯に載ったとのこと、あるいは僕が読んだのはこれだったのでしょうか。

先生は、「ええ、旅行は随分いたしました。むかしの人は知りませんが、私どもの頃のものとしては、私ほど旅行したものはないでしょう」と語り始め、「陶淵明の墓をさぐる」へと進んでいきます。

0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」7

  そのころ日本の禅僧がたくさん元に渡りましたし、長くかの地に留まり、中国文化を持ち帰った場合も大変多いのです。 流行する題画詩も彼らによって日本へもたらされた可能性が高いという指摘は、正鵠を射るものです。(略) このような島田修二郎先生の名論文を読むと、詩画軸こそ詩画一致で...