2019年5月27日月曜日

町田市立博物館最終展3


 配布資料には、ラザフォード・オールコックの『大君の都』やルイ・ゴンスの「装飾にみる日本人の天分」(『芸術の日本』)、シェーラード・オズボーンの『日本旅行記』など、幕末明治期わが国へやって来た西欧人の工芸に対する賞賛と驚きの文章を掲げました。それに厚かましくも、「饒舌館長」や「K11111」など、マイブログからの引用も加えましたが……。

オズボーンの『日本旅行記』は、以前オマージュを捧げたことがある渡辺京二さんの名著『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー)から引用しましたので、それだけをここに再録しておきましょう。

出島のオランダ会所は、多様な趣味よき形態をもつ磁器や漆器で一杯だった。“珍品”の数々にもう満腹という気分になったかに思えたが、そういう受けつけませんといった感覚は急速に誘惑に席をゆずった。最初に起こったのは一切合財買い占めたいという欲望だった。それほどみんな美しかったのだ。

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