2019年5月7日火曜日

静嘉堂文庫美術館「備前刀展」1


静嘉堂文庫美術館「日本刀の華 備前刀」<62日まで>

 
ものすごい人気です。開館前に行列ができます。もちろん、入館者の方々はみな大満足の様子、ディレクターとして、こんなうれしいことはありません。去年、話題を集めた「超日本刀入門」に続いて、今回は備前刀に焦点を絞ってみました。

日本刀の主要な製作地は、山城、大和、備前、相模、美濃の5箇所で、これを五ヶ伝といいます。そのうち、岡山県東南部にあたる備前の国は、きわめてすぐれた原料と水運の便に恵まれ、平安時代から傑出せる刀鍛冶を生み育ててきました。しかも、ものすごい生産量をもって他を圧倒、「刀剣王国」とたたえられてきました。いま出光美術館では、特別展「六古窯」をやっていますが、この中にも「備前」が含まれていることを、僕はとても興味深く感じます。

その特徴を、素人には手ごわい例の専門用語を用いていえば、「腰反り」の強い姿と、杢目を主体とした精緻な地鉄[じがね]に浮かび出る変化に富んだ「丁子乱れ」の刃文にあるということになります。いや、担当した山田学芸員によると、そうなるそうです()

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京都美術館「田中一村展」2

一村ゆかりの地として、栃木、千葉、奄美が挙げられますが、本展覧会の開催地の上野も縁の浅からざる場所でした。大正 15 年( 1926 )、東京美術学校(現・東京藝術大学)へ入学するもわずか 2 ヶ月で退学。戦後は、東京都美術館が会場である公募団体展に何度も挑戦しますが入選すること...