2019年1月1日火曜日

嵯峨嵐山文華館「胸キュン!嵐山」6

 周恩来のいう「姣妍」を「艶かしい」と訳したのですが、つまり美しいという意味でしょう。彼は雨中の嵐山を、日本人と同じように美しいと感じたのです。しかしそれだけではなく、真理探究の過程におけるよく似た瞬間を想起している点が、はじめて見た時にとても興味深く感じられたのです。


「姣妍」という審美が、真理という認識との関係においてとらえられています。それはやはり、中国人である周恩来に、自然を真のシンボルとしてみるという伝統的な中国の自然観が、そなわっていたからなのではないでしょうか。


このような私見が認められるか否かは別にして、嵯峨嵐山文華館の隣に建つ詩碑を、そのリニューアルオープン記念おしゃべりトークで、我ながらうまく使ってイントロに仕立てたなぁ――初めよければすべてよしだと独り言ちながら、満員の「のぞみ」で祝杯をあげつつ帰宅したことでした() 

0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」5

とくに応永年間、熱狂的 に愛好されたので、応永詩画軸 などと呼ばれることもあります。 詩画軸のことを勉強するときには、必ず『禅林画賛   中世水墨画を読む』 ( 毎日新聞社 ) という本を手元に置かなければなりません。そして監修者である島田修二郎先生の論文「室町時代の詩画軸につい...