2018年11月15日木曜日

京都国立博物館「京の刀」11


ところが中国刀にも、「反り」をもつものがあるのですが、その「反り」は日本刀の「反り」とかなり違っています。日本刀に比べると、もっと強く反っているのです。僕は日本建築における軒の微妙な反りと、中国建築における軒の強い反りを思い出しながら、両者を見比べていました。

もっとも、日本刀の微妙な反りとよく似た反りをもつ中国刀もありましたが、中国刀はより一層力強く、日本刀の鋭いけれどもちょっと華奢な感じがないのです。柳葉刀と同じく、重さで叩き切るといった武器本来の猛々しさがそのままにあらわれているみたいなんです。やはり、益荒男振りと手弱女ぶりの違いがあるんじゃないかなぁと思われたことでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」5

とくに応永年間、熱狂的 に愛好されたので、応永詩画軸 などと呼ばれることもあります。 詩画軸のことを勉強するときには、必ず『禅林画賛   中世水墨画を読む』 ( 毎日新聞社 ) という本を手元に置かなければなりません。そして監修者である島田修二郎先生の論文「室町時代の詩画軸につい...