2018年3月28日水曜日

広瀬淡窓5


夫婦が同じ所に住むのは、人として守るべき道である。現在、諸侯は年とって官をやめ郷里に帰るとなると、その夫人は江戸に留まり、生涯もう会うことがない。幕府の法とはいいながら、人倫にもとり、じつに悲しむべきことである。もし前述のごとく統治上、参勤交代がどうしても必要であるならば、諸侯が隠退するとき夫人も一緒に国許へ帰り、江戸にはその跡継ぎ夫婦だけが住めば、それで目的は充分達せられるはずである。

淡窓は思想家であり、教育者であり、漢詩人であったわけですが、教育者としての淡窓も僕の理想とするところです。淡窓は、自分が理想とする型に弟子を押し込もうとするのではなく、もって生まれた長所を最大限発揮させるように教育しました。その根本理念は、淡窓が作ったとされる「以呂波歌」の「鋭きも鈍きもともに捨てがたし 錐[きり]と槌[つち]とに使い分けなば」という一首に象徴されています。

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