静嘉堂文庫美術館「歌川国貞展 錦絵に見る江戸の粋な仲間たち」<3月25日まで>(1月20日)
いよいよ今日から企画展の「歌川国貞展」です。僕にとって国貞つまり三代豊国といえば、まず思い出されるのは、小樽のすし屋通りです(!?) というのは、ちょうど10年前、小樽市総合博物館で、「誠忠義士伝――三代豊国の世界」という特別展が開催されました。
赤穂義士物といえば、何といっても歌川国芳ですが、国貞にも「誠忠義士伝」という54枚の揃い物があります。小樽市総合博物館で所蔵する完全揃いのすべてが公開されるという、少なくとも北海道では新聞にも取り上げられた話題の特別展でした。
在ニュージーランド日本美術調査以来、親しくさせてもらってきた土屋周三館長から講演の依頼を受けた僕は、「浮世絵の美――三代豊国と後期浮世絵」と題して、私見を披露することにしました。
それはともかく、僕は「誠忠義士伝」の昨日摺ったような鮮やかな色彩、超絶技巧ともいうべき彫摺の冴え、シリーズとしての張り詰めたような統一感にすっかり魅了されてしまいました。それまでにも、三代豊国の作品は何度か見ていたわけですが、こんな大シリーズをまとめて見たのは初めてでした。僭越ながら、三代豊国を見直したのです。
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