2025年11月28日金曜日

すみだ北斎美術館「北斎をめぐる美人画の系譜」9


 道広の弟に泰卿(泰郷)、狂歌名を文京という通人がいて、酒井抱一と親しく、松江藩主・松平不昧<ふまい>の弟・雪川<せっせん>と合わせて三公子と呼ばれていました。これはよく知られた事実で、かつて「酒井抱一の伝記」という拙文を書いたときも、触れたように思います。ところが、この泰卿が笹葉鈴成だという説もあって、もうこうなると何がなんだか分からなくなっちゃうんですが( ´艸`)

 さらに泰卿の下の弟に、アイヌの酋長を描いた「夷酋列像」で有名な蠣崎波響がいました。彼らはみな北斎と親しかったか、少なくとも相識だったことでしょう。天明文化を中心に、このように武士でありながら、ドロップアウトや自己韜晦をはかった知識人によって江戸文化が作られたことは、すでによく知られているところです。

 『大通契語』は江戸新宿の色町、つまり岡場所をテーマにした洒落本です。もと吉原の花魁で、いまはここの遊女になっている梅歌について説明する箇所に、つぎのごとく宗理が、つまり北斎が登場するのです。私意を加えてチョッと読みやすくして掲げれば……
 

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