中国の後宮といえば、何といっても白楽天の「長恨歌」にある「後宮の佳麗三千人 三千の寵愛一身に在り」――さすが中国だとしばしば引用されるところですね。この「長恨歌」を中国語で暗唱できるのも僕の自慢です。
口演で玄宗楊貴妃の絵――いわゆる明皇絵が出てくると、音吐朗々「漢皇重色思傾国……六宮粉黛無顔色」とやって、「大抵ここらあたりで拍手が起こるものですが……」と笑いを取るんです。しかし覚えているのはここまで、つまりあの長い「長恨歌」の最初の8句だけなんです( ´艸`)
それはともかく、一般的に世間で「大奥」といえば、どうしても柳亭種彦作・歌川国貞画の『偐紫田舎源氏』に象徴されるような艶やかな世界の方へいってしまいます。言うまでもなく『偐紫田舎源氏』は、紫式部が著わした王朝文学『源氏物語』を室町時代に移し変え、翻案を施した江戸時代合巻の傑作です。
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