2025年4月19日土曜日

クリス&クルス『芸術家伝説』6

 

越川さんによると、本書誕生の背景とクリス&クルツの状況をつぶさに考慮すると、それほど唐突な見方とはいえないそうです。

このあいだ喜多川歌麿+蔦屋重三郎の『画本虫撰』は、寛政改革批判の絵本であったという妄想と暴走を「饒舌館長ブログ」にアップしました。まったく関係のない内容の本を出版して暗に何かを批判することは、身に迫る危険を回避するため、知的人間が発明した偉大なる方便だったのではないでしょうか。

越川さんの「復刊に寄せて」からも分かるように、本書は1989年ぺりかん社から刊行され、その後長く絶版となっていた『芸術家伝説』の復刊です。もちろんそのままではなく、いくつかバージョンアップがはかられていますが……。僕も長いあいだ旧版を愛読し、愛用してきました。


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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...