2025年3月21日金曜日

三井記念美術館「円空仏」9

 

すると円空の代表作は神像ということになります。少なくとも仏像ではありませんでした。これが円空仏の代表として、本展の象徴としてポスターに選ばれているんです!! 

ここで改めてポスターを見ると、もう一体、東山神明神社の「柿本人麻呂坐像」もアップされています。柿本人麻呂は「歌の聖」でしたが、その後「歌の神」に神格化されていました。

不思議ですねぇ。「魂を込めた円空仏」展のポスターに代表作的傑作としてフィーチャーされた2作品が、円空仏ではなく、円空神なんです。もっともカタログ解説によると、「人丸供養」の人麻呂像は観音菩薩の応現神とされるので、円空が造立した人麻呂像は神像であり観音菩薩でもあるそうですが、それならそれでモロ垂迹ということになります!!


0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」5

とくに応永年間、熱狂的 に愛好されたので、応永詩画軸 などと呼ばれることもあります。 詩画軸のことを勉強するときには、必ず『禅林画賛   中世水墨画を読む』 ( 毎日新聞社 ) という本を手元に置かなければなりません。そして監修者である島田修二郎先生の論文「室町時代の詩画軸につい...