2025年2月11日火曜日

『芸術と社会』5

改めて若々しい好奇心に満ちた智の巨人に脱帽です!! これからは「智の巨人」とお呼びしたいと思います。高階先生は知識の巨人ではなく、智慧の巨人だからです。

実をいうと、ベンヤミンの『複製技術時代の芸術作品』には苦い思い出があるんです。もう20年近く前でしょうか、佐藤康宏さんから、編集中の『講座日本美術史』2<形態の伝承>に「粉本と模写」といった内容で書いてほしい、できたら現代の粉本ともいうべき写真についても、取り扱ってほしいと頼まれたことがあるんです。

その前に高橋由一について拙文を書いたことがあり、そのとき絵画における写真の重要性に気づかされたので、佐藤さんの依頼に悪乗りして()写真に対する私見を物してみようと思いつきました。となれば何はともあれベンヤミンです。さっそく少し前に出た多木浩二『<複製技術時代の芸術作品>精読』(岩波現代文庫)を読んでみたんです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」7

  そのころ日本の禅僧がたくさん元に渡りましたし、長くかの地に留まり、中国文化を持ち帰った場合も大変多いのです。 流行する題画詩も彼らによって日本へもたらされた可能性が高いという指摘は、正鵠を射るものです。(略) このような島田修二郎先生の名論文を読むと、詩画軸こそ詩画一致で...