2024年10月14日月曜日

サントリー美術館「英一蝶」1

サントリー美術館「没後300年記念 英一蝶――風流才子、浮き世を写す――」<1110日まで>

 英一蝶――これまた愛して止まない江戸時代の絵師ですね。「饒舌館長ブログ」にも、『ボストン美術館日本美術総合調査図録』紹介の回をはじめとして、ずいぶん登場してもらっていると思います。一蝶が1724年に73歳で没してからちょうど300年、この節目の年を記念する特別展がサントリー美術館で始まりました。まずは力作カタログから、「ごあいさつ」を引用させてもらいましょう。

英一蝶は元禄年間前後に、江戸を中心に活躍した絵師です。はじめは狩野探幽の弟・安信のもとでアカデミックな教育を受けますが、菱川師宣や岩佐又兵衛らに触発され、市井の人々を活写した独自の風俗画を生み出しました。この新しい都市風俗画は広く愛され、一蝶の画風を慕う弟子たちにより、英派と呼ばれる一派が形成されます。

他にも、浮世絵師・歌川国貞のように一蝶に私淑した絵師は多く、後世にも大きな影響を与え続けました。また、松尾芭蕉に学び俳諧をたしなむなど、幅広いジャンルで才能を発揮しています。

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