2024年6月11日火曜日

富士山世界遺産センター「合目のハナシ」3

これらのなかでもっとも有力なのは①で、大高さんもこの説でしたし、僕も①かなぁと思いました。それを証明するような万延元年(1860)の「舛形牛玉図ますがたごおうず」(富士山世界遺産センター蔵 旧鈴木コレクション)が展示されていたからです。この年の干支は庚申かのえさるでしたが、そのためか「舛形牛玉図」がたくさん売り出されたようです。庚申の年には政治的変革が起こり、世が乱れやすいと信じられていたんです。

この「舛形牛玉図」をみると、3匹の猿に取り囲まれた1合枡ますにお米が山盛りに盛ってあるのですが、その形が美しいコニーデ型の富士山とソックリなんです。その向こうには、白雪をかぶった本当の富士山が描かれています。

上掲はネットから頂戴したイメージで、富士山世界遺産センター所蔵本ではありませんが、基本的に同構成だといってよいでしょう。

 

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