2024年6月10日月曜日

富士山世界遺産センター「合目のハナシ」2

 

 なぜ登山道における途中の通過点を「合目」というのでしょうか? 直接的に第○高度とか、札所のように第○番とか、あるいは山小屋と関連づけて第○宿とかいうなら分かりますが、「合目」とは一体どういう意味の標識なのでしょうか。『広辞苑』にも「丁目」という項目はありますが、「合目」はありません。しかしこれは古くから疑問になっていたらしく、井野辺茂雄氏の『富士の研究』という本には、5つの説があげられているそうです。

①舛形牛玉図ますがたごおうずによるとする説、②仏教で長い時間の単位である「劫」と関係付け、登山の苦を人生の苦になぞらえて「劫」を「合目」と表現したとする説、③人間における胎生までの10ヶ月と関係づける説、④噴火口の形を、米などを蒸すのに用いる器である甑こしきになぞらえたとする説、⑤米や麦を測る呼称を適用したとする説の5説です。

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