2024年1月13日土曜日

日比野秀男『渡辺崋山』11

 

これらに対し、日比野さんは2001年から刊行が始まった古河歴史博物館編『鷹見泉石日記』(吉川弘文館)や大槻磐渓の手紙などを詳細に読み解いたのです。そして、崋山が泉石像のスケッチを開始したのは天保73月ごろであり、3年後の同103月ごろピークに達し、天保12415日に完成したと推定したのです。

言うまでもなく、崋山が田原に幽閉されていたときであり、年記は遡及させたものとなります。これによって崋山の画歴における田原蟄居時代の意義は、さらに高まったといって不可なく、この日比野説が定説となっていくことでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「トプカプ・出光競演展」2

  一方、出光美術館も中国・明時代を中心に、皇帝・宮廷用に焼かれた官窯作品や江戸時代に海外へ輸出された陶磁器を有しており、中にはトプカプ宮殿博物館の作品の類品も知られています。  日本とトルコ共和国が外交関係を樹立して 100 周年を迎えた本年、両国の友好を記念し、トプカプ宮...