2023年4月5日水曜日

板橋区立美術館「椿椿山展」3

 その後、さらに椿山に魅入られるようになったのは、昭和53年(1978921日、個人コレクターK氏のもとで「涼月蒲柳図」を拝見したときでした。

このK氏とは先日アップしたK氏とは別のK氏です。このときは源豊宗先生も一緒でしたが、お話を聞きながら作品を鑑賞するという、空前にして絶後のすばらしい体験でした。この「涼月蒲柳図」は蓮と柳を大きくとらえ、その向こうに満月を望むという情趣纏綿たる絹本着色掛幅画でした。七言二句の自賛に続いて「法白陽山人意」とありますから、明代後期の文人画家・陳淳にならった作品であることが分かります。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」5

とくに応永年間、熱狂的 に愛好されたので、応永詩画軸 などと呼ばれることもあります。 詩画軸のことを勉強するときには、必ず『禅林画賛   中世水墨画を読む』 ( 毎日新聞社 ) という本を手元に置かなければなりません。そして監修者である島田修二郎先生の論文「室町時代の詩画軸につい...