2023年1月5日木曜日

和漢朗詠集・酒5

 

 『和漢朗詠集』は日本文化の象徴であるというが独断と偏見です。日本文化は和と漢という二つの要素によって作られているわけですが、和歌と漢詩文が並列している『和漢朗詠集』はそれを視覚的に直感させてくれるからです。こんな文学作品はほかにありません。

それだけではありません。日本文化は中国文化の影響を受けながらも、その模倣に陥らず、独自の文化を創造しましたが、この意味でも『和漢朗詠集』はもっとも重要な日本文学です。なぜならこのような詞華集は中国に見つけることができず、我らが日本にしか存在しないからです。何故なのか? それは中国に平仮名がなく、作ろうとしても作れなかったからです() 

0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」2

桜は植物分類学上バラ科に属するそうです が、ちょっと不思議な感じがします。新渡戸稲造の名言「薔薇 ばら に対するヨーロッパ人の讃美を、我々は分かつことをえない。薔薇は桜の単純さを欠いている」を思い出すからです。このすぐれた思想家が、マギャクの美しさと見なした薔薇と桜が同じ科に属す...