2022年9月23日金曜日

与謝野晶子私論19


 『源氏物語』に次いで、『曽我物語』もお礼を言わなければなりません。長いあいだ僕は、『日本古典全集』の『曽我物語』を使ってきたからです。この編纂者は鉄幹+晶子+正宗敦夫の3人ですが、国文学者で歌人の正宗敦夫が中心となったことは明らかだと思います。しかし晶子と鉄幹が、何らかの形で関与したことは疑いないでしょう。

ちなみに、正宗敦夫は有名な小説家・正宗白鳥の弟です。僕にとっては富岡鉄斎の研究家として親しい洋画家・正宗得三郎の兄です。正宗敦夫は収集典籍を保存するため、現在に伝わる正宗文庫を創設しました。江戸絵画史とも関係浅からず、キコウ本である浦上玉堂の『玉堂琴士集』前集・後集の揃いと、玉堂七弦琴を所蔵している文庫として知られています。

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