2022年7月12日火曜日

追悼 田沼武能先生7

 


それがもっとも際立つのは、僕の大好きな永井荷風に対する取材ノートでしょう。両者ともお金の話をオチにしていますが、土門拳は自分が荷風におごったことをあえて書き、田沼先生は荷風の預金通帳に2千数百万円が残っていたという新聞記事をただ引くだけにしています。両者の対照が実におもしろいじゃ~ありませんか。

『時代を刻んだ貌』をながめていると、煙草を吸っている男性の写真がとても多いことに驚きます。どなたかのおっしゃった<禁煙ファシズム>などまったくなかった時代、男が煙草を吸うのは当たり前だったわけですが、芸術家の場合にはパーセンテージも高かったのでしょう。

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富士山世界遺産センター「日本三霊山の砂防」5

さらに「逢へらくは玉の緒しけや恋ふらくは富士の高嶺に降る雪なすも」というバージョンもあるそうです。つまり「あの子と逢う間の短さは玉の緒ほどにも及ばないのに、別れて恋しいことは、富士の高嶺に降る雪のように絶え間ないよ」となりますが、これじゃ~本展示とまったく関係なき一首になってしま...