江戸絵画史にも「火酒」が登場します。それは片山楊谷伝のなかに出てきます。楊谷は長崎出身のため長崎派に分類されることもありますが、おもに因幡(鳥取県)で活躍した画家で、とくに虎の画で有名です。
僕の楊谷体験は、何といってもエツコ&ジョー・プライス・コレクションと結びついています。江戸の動物画にプライス美学との強い共鳴を感じるジョーさんが、楊谷の虎をコレクションに加えないはずはありません。
1993年秋、学生と一緒の研修旅行で、ロサンジェルス郊外コロナ・デル・マールのプライス邸にお邪魔したとき、楊谷の彩管になる虎の掛幅を2点、2曲1隻の押絵貼屏風をまとめて拝見する機会に恵まれ、はじめて楊谷という画家に興味を抱いたのでした。
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