徐寅「茘枝」
日々吹く初夏の薫る風 毒気の空気を蹴散らせば
最初に実る南[みんなみ]の 庭の珍果はライチの実
月のカラスがついばめば したたる果汁は甘美にて
豪華な器に溝貝[どぶがい]の 殻のごとくにテンコ盛り
成都じゃ言ってる「二日酔い 一番効くのはライチだぜ」
もっぱら天の宮殿じゃ 神仙たちへのプレゼント
だれも自分の鮮血を 抜き取ることなどしないのに
そで染め上げた薄絹の ごとく鮮やか!! 殻はみな
もっともヤバイ !! と思ったのは、右隻の浅草寺参道あたりに描かれる三十三間堂の建築年代です。完成したのは寛永 20 年( 1643 )、家光の命を受けて 4 月に射初めの儀式が執り行われたというのです。 となると、この「江戸名所図屏風」が制作されたのは、寛永 20 年以...
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