豊かな和漢の教養を身につけていた乾山は、もちろん杜甫を尊敬し、「杜甫詩集」をよく知っていて、とくにその第一首を選び、第8句「人をして深省を発せしむ」から、名前の「深省」を採ったにちがいありません。またまた独断と偏見かもしれませんが(笑)、この五言古詩をマイ戯訳で……。
今日遊覧の奉先寺 夜も宿泊許されて……
北の谷から風の音 月光 林を照らしてる
星座に迫る龍門山 眠る雲上 着物冷え
目覚めりゃ聞こえる朝の鐘 深い感慨わいてくる
とくに応永年間、熱狂的 に愛好されたので、応永詩画軸 などと呼ばれることもあります。 詩画軸のことを勉強するときには、必ず『禅林画賛 中世水墨画を読む』 ( 毎日新聞社 ) という本を手元に置かなければなりません。そして監修者である島田修二郎先生の論文「室町時代の詩画軸につい...
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