先日、鈴木其一の傑作「蓬莱山図」(アメリカ・カウンティ美術館蔵)をあげましたが、今日ここにアップしたのがその作品です。このような紺色に染めた紙に金泥で、ある場合には銀泥も加えて描く手法を紺紙金泥といって、お経の見返し絵に由来するものです。
この蓬莱山は霞によって上下二つのブロックに分けられていますが、よく見ると、上の方はツル、下の方はカメになっています。つまり、右上の高く突き出した岩がツルの頭で、くちばしを真っ直ぐ下の方へ向けたところです。一方、左下の海上から突き出した岩は口を開けたカメの頭で、それに続く右の盛り上がった岩が甲羅となっています。
これが深読みじゃ~ないことは、ツルとカメの顔の一部が塗り残されて、ちょうど目のようになっていることから明らかです。
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