2021年4月21日水曜日

国立能楽堂「能楽と日本美術」5

やがて桜葉の神(後シテ)が現われ、神威を示しつつエレガントに舞うのですが、その様をうかがうべく「ノリ地」を引けば……

月も照り添ふ花の袖 月も照り添う花の袖 雪を廻らす神神楽の 手の舞ひ足踏み拍子を揃へ 声すみわたる雲の梯[かけはし] 花に戯れ枝に結ぼほれ 挿頭[かざし]も花の糸桜

つまり「右近」では、夜桜の心象がとても強いのですが、「桜車蒔絵小鼓胴」から僕が最初に直感したのは、まさに夜桜だったのです。バックの黒漆地が夜を暗示させるなどといえば、またまた牽強付会の説だと眉をしかめられるかな()

この3点をもとに、持論である日本美術工芸中核論を披瀝していたら、またまた時間オーバーになってしまいました()

 

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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...