中国では主虹を「虹」、副虹を「蜺」と書き、前者をオス、後者をメスとしますが、これなども聞一多が教えてくれる中国の虹に対する観念をよく示しています。自然現象に対する心的形象も、我が国は中国からたくさん取り入れましたが、日本人にとって虹はあくまで美しく、しかもはかなく、したがってさらに美しく感じられるものであり、セクシーなものとか、官能的なものとする思想とは無縁だったように思います。
かの曜変天目の「光彩」を、古くは「虹彩」と書きました。この虹彩華やかなる曜変天目が、わが国だけに伝わったもっとも大きな理由は、この「虹」に対する観念の違いによるのではないかという私見については、以前「饒舌館長」にアップしたことがあります。中国陶磁の専門家はみなさん眉にツバをしていますが(笑)
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