2021年2月3日水曜日

コロナ短歌6

 先の高野公彦さんの一首「コロナ禍で消えた無数の灯の一つ神保町の飲み屋<酔[]の助>」は、その劈頭を飾るべき名吟でしょう。恥ずかしながら「酔の助」を知らなかったのですが……。先の特集記事には、「パソコンの前の飲み会『おいしいよこれ食べてみて』と言えないのがな」というコロナ酒短歌も採られています。

しかし2020コロナ酒短歌の第一席は、「コロナ禍で麒麟は来ないと呟[つぶや]けばアサヒあるよと妻は言いたり」でキマリだと思います。もっとも、このコロナ酒短歌は馬場あき子さんが担当した「朝日歌壇番外地」編で選ばれた迷吟なんですが……。<迷吟>なんて、投稿した及川和雄さん、失礼いたしました!! 馬場さんは、「麒麟をビールと勘違いした奥さんが、アサヒビールがあるというのが何とも愉快だ」と解釈されています。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」7

今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...