2020年11月4日水曜日

服部南郭の秋の詩2


秋懐 二首 その1

 ひとひらの雲 空の果て 木々 鮮やかに紅葉し

 時に感じて見下ろせば 旅人[りょじん]の心 悲しみに……

 落ち葉 散り敷く高殿に 光陰矢のごと流れゆき

 大海の靄[もや]果てしなく 愁いもいよいよ深くなる

 酔えば隠者の庭の菊 採って夕餉[ゆうげ]のおかずとし

 病気がちにて髪の毛に 秋の霜さえ見え始む

 要領悪い役人が 傲慢不遜となじられて

 髪 振り乱し歌いつつ 彷徨[さまよ]うさまは楚の狂人

 

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