2020年10月25日日曜日

東京国立博物館「桃山」4


 「僕の一点」は、式部輝忠の「李白観瀑図」(根津美術館蔵)ですね。式部輝忠? 「李白観瀑図」? 狩野永徳の上杉本「洛中洛外図屏風」も、長谷川等伯の「松林図屏風」も、狩野山雪の「妙心寺天球院障壁画<竹に虎図>」も出ているのに何で?と思われる方がいるかもしれません。しかしこれには訳があります。

この「饒舌館長」に何度も登場してもらっている山下裕二さんから、式部輝忠の魅力を教えてもらい、なるほどすばらしい画家だなぁと感を深くしてきたからです。山下さんは修士論文のテーマに式部輝忠を選び、その一部を『國華』1084号に「式部輝忠の研究――関東水墨画に関する一考察――」として発表、そのご同1162号に「式部輝忠再論――韃靼人狩猟図屏風を中心として――」を寄稿しています。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」7

今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...